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「やめよう」と思うほど、やめられない
「もっとリラックスしなきゃ」と思ったのに、気づいたら肩に力が入っていた。そういう経験はないでしょうか。
深呼吸をしてみる。首をまわしてみる。それでも、しばらくするとまた力が入っている。意識してやめようとしているのに、やめられない。この「やめられなさ」は、いったいどこから来るのでしょう。
実は、力を「抜こう」と意識すること自体が、そのまま力を「入れる」ことになってしまう、という仕組みがあります。努力が足りないのではなく、努力することが逆効果になっているのです。
意識を向けた瞬間に、身体は身構える
たとえば「肩の力を抜いて」と言われた瞬間、まず肩を意識しますね。ところが意識を向けると、脳は「今から動かすかもしれない」と判断して、その部位の筋肉を待機状態にします。緩めようとして注意を向けた瞬間に、身体はすでに少し身構えているのです。
同じことは、歩き方や呼吸でも起こります。普段は何も考えずにできていることでも、「ちゃんとやろう」と意識した途端にぎこちなくなる。舞台に立ったとたん、いつもできていた動作が空回りするのも同じ理由です。「意識するとできなくなる」というのは、身体の自然な反応であって、特別なことではありません。
「やめよう」も、ひとつの命令
もう少し掘り下げてみます。
「力を抜こう」というのは、考えてみれば脳からの命令です。その命令を受け取った身体は、「では何かしなければ」と動き始めます。つまり、ゆるもうとする意志そのものが、身体を動員してしまうのです。
「頑張ってリラックスする」という言葉が矛盾して聞こえるのは、まさにこの理由です。ゆるみは命令で作るものではなく、命令をやめたときに自然に訪れるものです。力を抜こうとするほど入ってしまう、という経験があるとすれば、それはむしろ身体が正直に反応している証拠でもあります。
「抜けない」のはあなたのせいではない
力が抜けないのは、意志が弱いからでも、性格のせいでもありません。「抜こう」とするほど入ってしまうという、神経の仕組みの話です。むしろ一生懸命ゆるめようとしてきたことが、逆効果になっていた可能性すらあります。
そして、この状態は一度起きるだけでなく、じわじわと慢性化していきます。なぜ何年も続いてしまうのか、次回はそこを掘り下げます。
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