正しいしゃがみ方
しゃがむ姿勢は、ガーデニングなどで良く使われますが、ともすれば作業に夢中になってしまい、気づいた時にはもう腰が痛い…なんてことも多いようです。この姿勢も手順通りやれば体を痛めることはありませんので、しっかり身に付けて下さい。
悪い例
しゃがんだ姿勢の悪い例は一つだけです。
腰を丸めてしまう
この状態で作業に夢中になっていると、腰を痛めるのはもちろん、肩から首、背中、脛、足首などあちこちに負担がかかってしまいます。
正しいしゃがみ方
それでは正しいしゃがみ方を見てみましょう。
1・お尻を後ろに突き出す
腿裏ストレッチの要領でお尻を後ろにしっかり突き出します。
2・股関節から体を折り曲げる
お腹と太腿をくっつけるようにしながら体を折り曲げていきます。上半身が地面と平行になるように意識して下さい。
3・膝を曲げて体を地面に近づけていく
少しずつ膝を深く曲げていきます。この時も上半身は地面と平行になるように心がけて下さい。
4・お尻を下げていく
腰が丸まらないように気を付けてお尻を下げていきます。このようにしゃがむと自然と下腹にグッと力が入り、足はしっかり地面を踏みしめているはずです。
このようなしゃがみ方ならば、手の力以外に足の力もしっかり使えますので、根深い頑固な雑草でもなんなく引き抜けます。
重い物を持ち上げる
重い物を持ち上げる時に最も安全なのは、やはりしゃがんだ姿勢です。しゃがむことによって持ち上げる物に密着することが出来るため、体にとってはより負担が軽くなります。
・しっかりしゃがむ
・持ち上げるものを体に密着させる
・脚の力で立ち上がる
かがんだ状態で勢いをつけて持ち上げた方が強い力が出ると思いがちなのですが、立ち上がる時というのはあちこちの筋肉が協調して働くためにとても強い力が出るのです。重い物を持ち上げる時はひと手間を惜しまずにしっかりしゃがんでから楽に持ち上げて下さい。
体を使う時に大事なこと
これまで立つ、座る、かがむ、しゃがむ、という体の使い方について解説してきました。さすがにお気づきの方もおられると思いますが、ほとんどの動作に共通しているのは「お尻を突き出す」、「股関節から体を折り曲げる」ということです。毎回毎回、我ながらしつこいとは思いましたが、何度も繰り返し解説したのはそれが何より重要なことだからです。
最後に
身の回りにはたくさんの道具があります。道具は正しい使い方をしていればいつまでも使えますが、間違った使い方をすればすぐに壊れます。
体も道具と同じです。正しく使えばインナーマッスルが鍛えられ表面の筋肉は痛まない。間違った使い方だとインナーマッスルは働かず表面の筋肉に負担がかかります。そして「正しい使い方」と「間違った使い方」を分けるのは、ほんのわずかな差です。これが10年20年と積み重なった時にどんな違いが出るでしょう?
一日一万歩のウォーキング、スポーツジムでの筋力トレーニング、健康食品や様々なサプリメント。健康に関する情報や商品はあふれるほどあります。どれもそれなりに良いとは思いますが、一番大切なのは日常です。日常がいいかげんでは意味がありません。
日常の中で、体を正しく使い、手入れをして、しっかり休ませる。この繰り返しこそがいつまでも健康でいられる唯一の方法ではないでしょうか?
体は素直です。やればやっただけの結果が出ます。ご自分の体にしっかり取り組むことで間違いなく体は変わっていきます。この「身体の使い方」がそのガイドとなれればこれ以上の喜びはありません。