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力が抜けないのはなぜか?3

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頑張ってゆるもう」という矛盾

第1話では、意識を向けると身体が身構えてしまうこと。第2話では、緊張が何年もかけて積み上がり、慢性化していくこと、をお伝えしました。

ここまでは現代医学的な言葉でも説明できる話です。最終回は、整体ならではの見立てをお伝えします。


頭と身体は、本来対等ではない

整体では、力が抜けない状態を「頭が強すぎて、身体が黙らされている」と捉えます。

私たちは日常的に、考え、判断し、気を遣い、段取りを立てています。頭が絶えず動いているとき、身体はその指示を待つ側に回ります。本来、身体には頭の命令とは別に、独自の調整をする力があります。疲れたら重くなる、温めが必要なら血が集まる、といった、無意識に起こる働きです。ところが頭が主導権を握り続けると、この「身体自身の声」が聞こえなくなっていきます。

「なんとなく不調だけど、どこが悪いとは言えない」という感覚は、身体が何かを訴えているのに、頭がその声を受け取れていないときに起こりやすいものです。


みぞおちが固いとき、何が起きているか

整体では、みぞおちを「緊張が集まる場所」と見ます。

気を遣っているとき、我慢しているとき、不安が続いているとき——こうした状態が続くと、みぞおちが固くなり、呼吸が浅くなります。みぞおちが固いと、吐く息が短くなり、吸うばかりで吐けない呼吸になります。吐けない呼吸は、身体に緊張を残し続けます。

「頑張っても力が抜けない」という方の多くは、このみぞおちの固さを抱えています。肩や首をいくらほぐしても戻ってしまうのは、みぞおちの緊張が解消されていないからです。表面だけを緩めても、根元が固いままでは元に戻るのは当然のことです。


ゆるみは、待つことで訪れる

では、どうすればいいのか。整体の答えは、「引き出す」でも「練習する」でもありません。

ゆるみは、頭の働きをいったん静めて、身体が自分で動き出せる状態を整えたときに、自然に訪れます。「ゆるもう」という意志をいったん手放すこと。吐く息をただ感じること。みぞおちの硬さに気づくだけで、どうにかしようとしないこと。こうした「邪魔しない」関わり方が、身体本来の調整力を少しずつ引き出していきます。

施術の場でよく起こることですが、何もしていないように見える時間の中で、身体がふっと重くなる瞬間があります。それがゆるみの入り口です。待つことで訪れる、というのはそういうことです。

3回にわたって、力が抜けない理由をお伝えしてきました。次のシリーズでは、力みが張りや凝りへと変わっていく流れと、ゆるみを取り戻すためのより具体的なヒントをお伝えします。



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