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「抜こう」ではなく「気づく」へ
「力が抜けないのはなぜか」では、力を抜こうとするほど逆効果になってしまう仕組みをお伝えしました。では、力みとどう向き合えばいいのか。
答えは「抜こうと頑張る」ではなく、「入っていることに気づく」です。
脱力は、意志で力を抜こうとする行為ではなく、力が入っていることに気づいた瞬間に自然に起こるものです。だとすれば、鍛えるべきは「抜く力」ではなく、「気づく感覚」ということになります。
気づく感覚は、訓練で育つ
力が入っていることへの気づきは、最初から誰もが持っているわけではありません。むしろ、緊張が慢性化するほど感覚は鈍くなり、どれだけ力んでいても気づけなくなっていきます。
だからこそ、気づく練習が必要になります。
具体的には、日常のどこかで「今、どこかに力が入っていないか」と身体に問いかける時間を持つことです。奥歯を噛み締めていないか。肩がすくんでいないか。みぞおちが固くなっていないか。こうした問いかけを習慣にしていくと、少しずつ感覚の解像度が上がっていきます。
気づいたときに、無理に抜こうとしなくてもかまいません。「ここに力が入っていたんだ」と観察するだけで、身体はすでに少し変わり始めています。
観察して、待つ
前回お伝えしたみぞおちへの関わり方と同じです。触れて、吐いて、待つ。この「待つ」という姿勢が、整体的な脱力の訓練の核心です。
力を抜こうとする意志ではなく、力が入っていることへの気づきと、そこからの自然なゆるみを待つ感覚。これを繰り返していくことで、身体は少しずつ「ゆるんでいる状態」を思い出していきます。
最初は一瞬だったゆるみが、少しずつ長くなる。気づくタイミングが早くなる。力みの段階で手が打てるようになる。こうした変化が積み重なっていくのが、整体的な意味での「脱力の訓練」です。
長い時間をかけて変わっていく
慢性的な緊張は、一日二日では変わりません。何年もかけて積み上がったパターンですから、戻るにも時間がかかります。ただ、気づく感覚が育ってくると、変化のスピードは上がっていきます。
「頑張ってゆるめる」のではなく、「気づいて、観察して、待つ」。この積み重ねが、身体を本来のゆるみへと連れ戻していきます。「力が抜けないのはなぜか」シリーズ、お読みいただきありがとうございました。
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