正しいかがみ方〜物を拾う編〜
瞬間的にかかる大きな負担
『物を拾う』という動作を解説していきましょう。『物を拾う』という動作もぎっくり腰の引き鉄になることが多い動作です。無意識に勢いを使ってやってしまうことが多いので、瞬間的に腰にかかる負担は相当なものです。調子の良い時ならなんとかなりますが、疲れが溜まっていたり、体が固まっている時などはかなり危険です。
やり方が悪いだけ
しかし、これは『物を拾う』という行為が悪いわけではなく、腰を痛めるような拾い方が問題ということです。正しい動きでやれば腰を痛める心配はありませんし、他の動作と同様に立派なトレーニングになります。
腰を痛める拾い方
1・膝を伸ばしきったまま深くかがむ
2・そして反動を使って体を起こす
このやり方だと本当に危険です。体を起こす時に負担が腰だけに集約します。このようなやり方を続けていれば腰を痛めるのは時間の問題です。
体を痛めない拾い方
それでは正しいやり方を見ていきましょう
1・お尻をしっかり後ろに突き出す
2・無理に手を伸ばさずに膝を曲げて手を届かせる
腰や背中を丸めて手を届かせるのではなく、膝を曲げることで手を届かせます。
3・脚の力を使って立ち上がる
背筋だけで体を起こさずに、脚を伸ばす力を使って立ち上がるように体を起こしていきます。
重い物を持ち上げる
次は重い物を持ち上げる時の体の使い方です。重い物を持ち上げるというのは間違いなくぎっくり腰の原因No.1でしょう。これは持ち上げる物の重量にもよりますが、疲れが溜まったり、体が固まっていたりしなくとも、間違ったやり方をすれば一発で腰を痛めてしまう可能性があり、とても危険です。
まずは間違ったやり方から解説していきましょう。
1・膝を伸ばしきった状態で物をつかむ
膝は伸びきり、腰は丸まり、すでに体に余裕はありません。
2・そのまま背筋の力だけで体を起こす
勢いをつけて持ち上げるとかなり危険です。
重ければ重いほどどうしても勢いをつけて体を起こすことになり、上半身と持ち上げる物の重量が一気に腰の筋肉に負担をかけます。ちなみの写真のモデルはこの写真を撮っている時に「ギャーッ!」と悲鳴をあげていました。
それでは正しいやり方です。
1・まずは腿裏ストレッチの要領でお尻を後ろに突き出しいきます
2・股関節から体を折り曲げ、膝を曲げて物をつかみます
3・脚を伸ばす力を使って立ち上がります
ほんのひと手間が大事
お尻を突き出す、膝を曲げるといった、小さな動作をするかしないかで、体にかかる負担は大きく変わってしまいます。言い換えれば、慢性腰痛やぎっくり腰、肩こりや膝痛になるかならないかは、ほんの一瞬、ほんのひと手間にかかっているということです。