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前回、浅い呼吸と深い呼吸の違いについてお話ししました。ご自身の呼吸をチェックしてみて、いかがでしたか？
今回は、この呼吸の質が体と心にどんな影響を与えているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
呼吸は単なる酸素の取り込みではない
「呼吸って、酸素を取り込んで二酸化炭素を出すだけでしょ？」そう思われるかもしれません。でも、整体の視点から見ると、呼吸はもっと奥深いものなんです。
実は呼吸というのは、胸やお腹だけでなく、背中も、手も、足も、全身が微妙に連動して行われている「全身運動」なんですね。深い呼吸をすると、この全身の連動がスムーズになり、体の中の「気」の流れも良くなります。
逆に、浅い呼吸が続くと、体のあちこちで「つかえ」が生まれてしまいます。
体への影響：深い呼吸と浅い呼吸
深い呼吸ができていると、自律神経が整いやすくなります。自律神経というのは、私たちが意識しなくても体の機能を調整してくれている大切な神経です。これが整うと、血液の流れが良くなり、内臓の働きも活発になります。
ところが、浅い呼吸が続くと、背骨や内臓にも影響が出てきます。例えば、胸の上だけで浅く呼吸していると、背中が丸くなり、背骨の動きが悪くなります。すると、その背骨につながっている内臓の働きも鈍くなってしまうんです。
実際、肩こりや腰痛で来院される方の多くが、呼吸が浅くなっています。姿勢が悪くなると呼吸が浅くなり、浅い呼吸がさらに姿勢を悪くする…という悪循環に陥っているケースも少なくありません。
心への影響：呼吸とリラックスの深い関係
呼吸は、心の状態とも密接につながっています。
試しに、今、意識的にゆっくり深く息を吸って、長く吐いてみてください。ほんの数回繰り返すだけでも、少し気持ちが落ち着いてきませんか？
緊張している時やストレスを感じている時は、自然と呼吸が浅く速くなります。逆に、リラックスしている時は、呼吸は深くゆったりしています。つまり、呼吸のリズムを変えることで、心の状態も変えることができるんですね。
整体では、この呼吸を通じて「気」が全身に流れると考えます。深い呼吸で気の流れが良くなると、心も体も自然と調和していくんです。
呼吸が変わると、何が変わる？
では、呼吸の質を高めると、具体的にどんな変化が起こるのでしょうか。
まず、疲れにくくなります。体の隅々まで酸素が行き渡るようになるので、細胞一つ一つが元気になるんですね。朝起きた時の体の軽さや、一日の終わりの疲労感が変わってきます。
また、自律神経が整うことで、寝つきが良くなったり、胃腸の調子が良くなったりすることもあります。イライラしにくくなったり、気持ちが落ち着きやすくなるという方も多いんです。
さらに、背骨の動きが良くなることで、肩こりや腰痛が楽になることもあります。呼吸一つで、こんなにも体と心が変わっていくんですね。
呼吸の質を意識する第一歩
「でも、どうやって呼吸を深くすればいいの？」そう思われますよね。
大切なのは、まず自分の呼吸に気づくことです。仕事中、ふと「今、呼吸が浅くなっているな」と気づくだけでも、自然と呼吸は深くなっていきます。
次回は、日常生活の中で簡単に取り入れられる、質の高い呼吸法を具体的にご紹介していきますね。
呼吸を変えることは、自分自身を整える第一歩です。お楽しみに！
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