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休んでいるのに、休めていない
ソファに座って、仕事も終わって、特に何もしていない。なのに、なんとなく身体が落ち着かない。肩や首がじんわり張っている。そんな感覚、覚えはないでしょうか。
あるいは、休日のはずなのに身体がだるい。旅行に行っても疲れが取れない。「休んでいるはずなのに、なぜ?」という感覚。これは、一時的な疲れではなく、長い時間をかけて積み上がってきた緊張の話です。
神経は「よく使う状態」を基準にする
緊張が1日続いても、翌日にはほどけることがあります。ところが何ヶ月、何年と続いていくと、話が変わってきます。
神経系には、よく使うパターンを「普通の状態」として維持しようとする働きがあります。毎日緊張が続いていると、神経はやがてその状態を通常モードとして学習します。すると、仕事が終わって席を立っても、家に帰っても、布団に入っても、身体はなかなかそちらへ切り替わってくれません。
ちょうど、何年も猫背でいると背筋を伸ばしたほうが違和感になるのと似た仕組みです。身体は「いつもの状態」を正常として守ろうとします。緊張がデフォルトになると、ゆるもうとしたときに、むしろそちらが「おかしい状態」に感じられるようになっていくのです。
「緊張していない」と思っていても
さらに厄介なのは、この状態が深まると、自分がどれだけ力んでいるかに気づけなくなることです。
本来、身体は緊張とゆるみを状況に応じて切り替えています。ところが緊張が長く続くと、その切り替えの感覚自体が鈍くなっていきます。「特に緊張していない」と思っていても、身体はずっと防御を続けている。施術中に「こんなに肩が上がっていたんですね」と驚かれる方は、まさにこの状態です。
気づけないから対処もできない。自覚がないまま力が入り続けているから、「休んだ気がしない」「ゆるもうとしてもゆるめない」という状態が何年も続いてしまうのです。
「抜けない」のは、蓄積の結果
一時的な緊張なら、休めば戻ります。しかし何年もかけて積み上がった緊張は、意志で抜こうとしても簡単には動きません。それは意志の問題ではなく、時間をかけて身体がそのパターンを身につけてしまったからです。
「なぜこんなに頑張っているのに変わらないのか」と感じるとき、その答えのひとつはここにあります。だとすれば、逆に時間をかけて「ゆるんでいる状態」を身体に思い出してもらわなければなりません。次回は、この慢性的な力みを整体ではどう見るのか、その独自の視点をお伝えします。
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